八十八やという会社の代表者・上野俊彦が逮捕。
大麻栽培の認可を取得していたのにも関わらずに、自らが大麻所持で逮捕という極めて稀な事件について見ていきましょう。
八十八や・上野俊彦について
株式会社八十八やは2013年に設立されました。
代表者は上野俊彦という37歳の男性であり、八十八やを立ち上げる前は一般企業で営業マンとして働いていました。
営業マン当時に国際ジャーナリズムに興味をもち、退職して海外に旅立ちました。
海外で上野俊彦はある日本人と知り合います。
その日本人とは麻の栽培を群馬県でしている人間であり、上野俊彦は帰国後に知り合った彼の元で大麻栽培の手伝いをしていた。
この日本人の情報は無いが、おそらくは健全に大麻栽培の許可を持っている人物と思われる。
上野俊彦は町おこしの為に八十八やを設立
群馬県で大麻栽培の手伝いをしていたが、2011年に東日本大震災に見舞われて、その影響で上野俊彦は鳥取県智頭町に避難を兼ねた引っ越しをします。
2013年に大麻栽培の免許申請が通り、株式会社【八十八や】を設立しました。
上野俊彦の拠点である鳥取県智頭町は面積の93%が山林である程のド田舎であります。
町というよりも村という雰囲気のこの土地の町おこしを目的にしていたようです。
2015年には上野俊彦の活動に関心をおぼえた安倍首相夫人・昭恵氏が上野俊彦が大麻を栽培している畑を訪れていたそうです。
大麻栽培の許可を得た者が、まさか大麻取締法違反で逮捕されるということは、常識的に考えられませんが、そもそもの大麻栽培の目的はなんだったのでしょう?
上野俊彦の大麻栽培の目的は?
上野俊彦が逮捕時に所持していた大麻は、八十八やで栽培されたものではなく、知り合いから譲り受けたものであったそうです。
所持していた大麻は自分で吸引する為であったと容疑を認めています。
元々の大麻栽培の目的は大麻草が悪いものであるという偏見を払拭し、人々の生活に役に立つ様々な活用法があることを知ってもらうというものでした。
確かに日本では違法なものであっても、海外では許容されているものであり、実際に人間に有害なものであるかの論議は絶えることがありません。
しかし、あくまで法律で現在の日本では禁止されているものです。
大麻栽培の免許を持っている者が、法律を破る行為をしていたという、矛盾をどうしても感じてしまう事件です。
大麻栽培の許可はどうやって取得するのか?
大麻草は戦後、アメリカGHQによって施行された大麻取締法制定で禁じられた植物ですが、都道府県の許可を受ければ栽培可能なものでもあるそうです。
現在の日本には30名ほどの正式に認可を得た大麻栽培業者がいるそうです。
大麻の栽培免許に至るまでの道は、なかなか険しく厳しいものです。
まず栽培予定の農地を確保しなければなりません。
そして、栽培の目的を明確化して、栽培後、大麻草をどの様に利用するのかの見通しも決めておかなければなりません。
栽培、加工、生産、販売というプロセスがしっかり出来上がっていなければ、免許取得には至らないのです。
行政当局による厳正な審査を経て、ようやく大麻栽培の免許がうけとれるわけです。
栽培の取得申請から免許取得までは、年単位でかかることから、かなりの長い道のりと言えるでしょう。
上野俊彦は苦労して取得した大麻栽培の免許を、この様な形で手放し、町おこしをするといった目的も事実上、頓挫してしまったということになります。