【O-111】焼肉酒家えびすの殺人菌の正体! ユッケの中で何が起きていたのか?!【腸管出血性大腸菌】

O-111という殺人菌が現在、再び注目されているようだ。

 

これは5年前・2011年4月21日に起きた集団食中毒事件で、焼肉酒家えびすのユッケという言葉を記憶している方も多いだろう。

 

今一度、えびすのユッケを思い出し、恐るべきO-111という殺人菌についての予備知識を紐解いてみよう。

 

O-111が知れ渡ったえびすユッケ集団食中毒事件

1997年に富山県で開店した【焼肉酒家えびす】は、その後、有限会社フーズ・フォーラスとなり、2009年には北陸地方と関東で20店舗の焼肉レストランを開店。

 

テレビの取材なども受けて、2011年頃はもてはやされていた焼肉チェーン店だった焼肉酒家えびす。

 

しかし、2011年4月に富山県、福井県、神奈川県に出店された同店のユッケを食べた客の100人以上が食中毒にかかり、5人が命を落とすという騒動が起きた。

 

これが元で焼肉店のチェーン展開をして、もてはやされていたフーズ・フォーラスは解散し、廃業することになった。

 

O-111とO-157の違い

O-157を知っている方は多いと思うが、ここで触れるのはO-111。

 

同じ大腸菌ではあるが、菌の表面を囲う抗原の種類で区別されている。

 

抗原というのは病原体のことであり、O-1からO-181まであり、最も食中毒が起きた時に検出されるものが多いのがO-157なので有名。

 

しかし、えびすのユッケ事件で検出されたものはO-111だった。

 

ちなみに大腸菌というのは、我々の腸の中に誰でも持っている菌であり、毒性が弱いもの。

 

しかし、大腸菌の中には【ペロ毒素】というものを発生させて、内部から腸をはじめとする人体の臓器にダメージを引き起こすものもあるのだ。

 

それがO-数字と名付けられたものであり、特に検出されて目にすることがあるものが・・・

 

O-1, O-18,O-26,O-104,O-111,O-128,O-157である。

 

これらの総称が腸管出血性大腸菌と言われるものだ。

 

次は何故、えびすのユッケからO-111が検出されたのかを主に見ていこう。

 

えびすのユッケからO-111(胆管出血性大腸菌)

上記の食中毒事件の被害者の96%が後の調べで、焼肉酒家えびすのユッケを食べていたことが判明。

 

北陸のえびすのユッケで食中毒。

 

関東のえびすのユッケで食中毒ということで、O-111(胆管出血性大腸菌)はえびすの店舗内で発生したものではないという結論が出た。

 

つまりこれは店で提供される前の食材の段階で既にO-111に汚染されていたことを意味している。

 

えびすは板橋区の大和屋商店という食肉の卸売会社から、食材を仕入れていた。

 

そして大和屋商店は埼玉県内の会社から元となる牛肉を仕入れていたので、食中毒事件の解決を原因を究明するために警察は大和屋商店と埼玉県の会社をガサ入れした。

 

しかし、どちらからもO-111は検出されなかったことから、店でお客にユッケを提供するえびすと食材の卸元の大和屋商店に問題があったという目星をつけた。

 

後日、焼肉酒家えびすは客に前日に売れ残ったユッケを、翌日に使いまわしていたことがわかり、更には義務付けられている肉の衛生検査もしていなかったのだ。

 

一方、大和屋商店の方といえば、食材を切り分ける段階で、臓物用と他の肉用の包丁とまな板を使い分けしていなかったことが発覚。

 

そして、本来は生で食べる肉ではない牛肉を、生食用と偽り卸していたことが分かった。

 

つまり、何故、えびすのユッケでO-111(胆管出血性大腸菌)による食中毒が起きたのかの原因は、徹底した衛生管理がなされておらずに、極めて不潔な環境下での仕込み作業により発生していたことが分かる。

 

えびすのユッケで殺人菌と言われたO-111

食中毒が起きたといっても、被害者が命を落とすケースは極めて稀である。

 

しかし、えびすのユッケを食した客の5人は帰らぬ人となり、その食中毒を引き起こした病原菌がO-111だったことで、殺人菌として広まった。

 

O-111だけではないが、胆管出血性大腸菌の恐ろしさは、とても感染力が強く、少量の菌でも感染するという。

 

共用タオルやドアノブに付着した少量の菌でも、別の人間に感染してしまうほどである。

 

そして、胆管出血性大腸菌は、非常に毒性が強いことが挙げられており、腎臓と脳に重大な障害を及ぼすほどの力があると報告されています。

 

潜伏期間は他の食中毒を引き起こす菌と比べて長い。(大体2日から9日)

 

その間は全く無症状であるから、この殺人菌に汚染されてしまっている食品が他に流れ二次感染を引き起こす可能性が極めて高い。

 

感染してすぐに症状が現れる場合は、原因はすぐに分かるので対処しやすいわけですが、一週間以上も何も起こらないとすると、原因の判別が遅れるというわけです。

 

今回は過去の焼肉酒家えびすのユッケの食中毒事件をテーマにO-111・胆管出血性大腸菌のことをお伝えしましたが、実は井戸水などにも、この殺人菌は潜んでいるといいます。

 

感染したら非常に厄介なものであり、場合によっては死に至る殺人菌・O-111のことは、これから先も知っておく必要があるものであると言えます。

 

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