間下このみさんが患っている難病【抗リン脂質抗体症候群】とは、どういった病気なのでしょうか?
現代の医学では治療方法が確立されていないとされ、代表的な難病の一つであります。
間下このみさんが【抗リン脂質抗体症候群】にかかってしまった経緯と症状などについて見ていきましょう。
間下このみが難病【抗リン脂質抗体症候群】にかかった経緯は?
間下このみさんは2005年に妊娠をしますが、7ヶ月後にお腹の中の赤ちゃんは死産してしまいます。
その5か月後には再び間下さんは妊娠するのですが、その時の検査で彼女の身体に20000人に1人という低い割合しかいない難病にかかっていることが分かったのです。
人が発症する0.002%という低確率の難病に当たってしまった間下このみさん。
しかし、この病気の症状には、当時の間下さんにとっては恐怖を呼ぶであろう特殊性がありました。
間下このみの死産の原因は抗リン脂質抗体症候群
この難病の特徴的な症状の一つに【不育症】というものがあるそうです。
不育症というのは妊娠はするが、出産せずに流産を繰り返すという、間下さんにとってはありえない恐怖の症状でした。
流産せずに出産出来たとしても、生まれた赤ちゃんの発育が極めて遅い【胎児発育遅延】が起きる可能性もあるという。
自分だけではなく、愛する我が子にまで影響が出るかもしれない、恐怖の難病。
非常に珍しい病気なので、間下さんは自分に起きている難病・抗リン脂質抗体症候群という病気にかかっていることを、世間に公表することにしました。
間下さんは世の子供が欲しくても出来ない女性達の中に、
『自分と同じ病気にかかっているが、気づかずに流産を繰り返している人がいるかも知れない・・・』
そう思ったからだそうです。
ご自身とかかりつけの医師やスタッフ、そして献身的な旦那さまの愛情とサポートに支えられて、無事に間下さんは出産することが出来ました。
生まれた愛娘・めのあちゃんの発育が遅いということもなく、様々な悲劇を乗り越えて、幸せな家庭を築くことが出来たのです。
ですが、未だ解明されていない謎の病気・抗リン脂質抗体症候群について、もう少し具体的にみていきましょう。
抗リン脂質抗体症候群の症状と治療
抗リン脂質抗体症候群は英語で【Antiphospholipid syndrome】と呼ばれ、略して【APS】と呼んだりもする病気です。
抗リン脂質抗体と呼ばれる人の体内に元からある抗体の中で、動静脈血栓症や不育症を含んだ、妊娠合併症を繰り返す病態を指すものです。
不育症の他に見られる身体の悪しき症状としては以下の通り。
・網状皮斑
網状皮斑とは網目状の赤紫色の模様のようなものが、手や腕に現れたものをさします。
特に膝下の部位に現れることが目立ち、皮膚と皮膚の脂肪の狭間にある血管が血栓が詰まるなどして、血が通わなくなることから発症する症状です。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の20%に見られる症状)
・脳梗塞
言わずと知れた脳の最も多い病の一つですね。
動脈硬化による、どちらかといえば若い世代よりもお年寄りに多く見られる疾患ですが、若年性脳梗塞を抗リン脂質抗体症候群にかかっていると引き起こされるケースもあります。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の10%から15%に見られる症状)
・血栓性静脈炎
静脈に炎症が起き、血栓が出来て静脈が塞がることにより、腫れと痛みを生むものです。
それにより血管を流れる血液が固まる為に、血管自体がしこりが出来たかの様に硬くなる症状です。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の10%に見られる症状)
・血小板減少
血小板とは血液に含まれる成分の一種であり、血管などが損傷したときに傷口を塞ぎ止血する役目をもつ。
これが減少すると、物理的に傷が治らなくなるということが起きます。
血小板減少も抗リン脂質抗体症候群が、もたらす重大な危険をはらむ症状の一つです。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の20%から25%に見られる症状)
・下肢深部静脈血栓症
人の下肢(腰から下)の静脈に血栓ができる症状です。
静脈は足のつま先から心臓や肺に向かって血液が流れていますが、下肢の静脈に血栓がつまると、血が心臓や肺に流れなくなるために、あらゆる症状を引き起こす要因になります。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の30%に見られる症状)
・肺血栓塞栓症
上記の下肢深部性脈血栓症から派生する症状であり、これにかかると肺の機能を果たさなくなり、呼吸困難に陥ります。
これは非常に致死率が高い、症状であり、最悪は診断が出来ないままに症状が見られた方が死亡するケースもあります。
(抗リン脂質抗体症候群と診断された人の10%に見られる症状)
その他にも発症する頻度は低いですが、各臓器に多大な悪影響を及ぼす血栓症を引き起こすのが、抗リン脂質抗体症候群の症状なのです。
抗リン脂質抗体症候群は完治は難しいが、対策がある難病
発症した患者がどの様な状態なのかによって、治療方法は様々ですが、妊婦のケースの場合はこの難病自体を完治させるのではなく、いかに血液中の血栓を予防するかの治療になります。
具体的によく用いられる治療方法として、ヘパリン、アスピリンなどの薬剤を注射などで、1日に約75gから100gの体内への投与があります。
間下このみさんは2度目の妊娠の時には、この方法を根気よく続けて、無事に出産をしたわけです。
こんな難病を患いながらも、現在は多くのファンに愛されて、多方面で活躍している間下このみさんは、改めて困難をくぐり抜けた強いママさんと言えます。
決して多くはないですが、同じ病気を患っている方がいるのならば、間下さんの様に強い気持ちで乗り切って欲しいものです。
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