奥田瑛二の嫁が安藤和津なのは周知の通りだが、彼の本名を見ると婿養子になっていることは容易に推測出来る。
婿養子というのは、人によっては決して受け入れられない選択だが、果たしてこの理由とは一体、何であったのか?
実は過去に安藤和津がこの話に対して、ある告白をしていたのだった。
奥田瑛二の嫁・安藤和津について
安藤和津は教科書にも出てくる人物・犬養毅の血を引く由緒正しい家柄の女性。
父親は法務大臣にも就いたことがある犬養健だ。
安藤和津は母親の過剰ともいえる愛情の中で育った娘であったことで知られている。
当時は母親の昌子さんは料亭を経営していたが、娘の素行には充分過ぎるくらいの気配りを怠っていなかった。
中学1年生になった頃に、父親の健が他界。
その後、経済的には何不自由ない暮らしがあったが、安藤和津の行くところには母の命令を受けたお手伝いさんがつきまとっていたという。
安藤和津は不自由な青春時代を過ごしたものの、無事に大学を卒業しイギリス留学をしている。
が、仕事に就くことは猛反対であり、母は娘の安藤和津を立派な男性の嫁にしたいという気持ちで一杯であり、それを安藤和津に課していた。
母親は縁談の話などを積極的にもってきたが、安藤和津はそれを気丈に断る姿勢を見せたという。
奥田瑛二が婿養子になった経緯
安藤和津は友人のパーティーに参加したときに、当時、無名であった俳優・奥田瑛二と知り合った。
なかなか芽が出なかったが、お互いに惹かれて交際する様になっていた。
母親が理想とするお婿さんとは全く違う奥田瑛二であったが、ある日、『あんたたち、結婚したら?』と声をかけてきたという。
と、いうのも奥田瑛二が安藤和津の家で過ごしていた時に、体調不良により倒れ込んでしまったという。
身体の具合は重く、一か月程、奥田瑛二は安藤和津の自宅で療養していたそうだ。
その時に、安藤和津が奥田瑛二を懸命に介護している姿を、母親がみて結婚をすすめてきたという経緯がある。
それに加えて、安藤和津は母にとって奥田瑛二は何でも自分の言うことを聞いてくれるお婿さんになると思ったのでは?と、語っている。
1979年1月に無事に奥田瑛二と安藤和津は結婚。
奥田瑛二は安藤姓を受け、安藤家の人間となったわけだが、その結婚生活にはある問題があった。
奥田瑛二が婿養子になった後・・・
奥田瑛二と安藤和津が結婚した後、母親とは同じマンション内の別の部屋を借りて、新居をもった。
ところが、同じマンションにいるということで距離が近い為に、母親は執拗に新居に入り浸ってきたという。
何かと自分の思い通りにコントロールしたくて仕方がない気性であったようで、奥田瑛二と安藤和津の子供が生まれてからは更にエスカレートしていったようだ。
・日に20回以上、電話がかかってくる。
・何かにつけて呼び出しをかけてくる。(朝ごはんが出来たからなど)
・子供に学校が終わったら電話する様に催促。
・一人で行動することに関して注意を促したり。
それが母親の愛情の深さ故の出来事であることは、よく分かっていたが、思い通りにならない時には母親は当たり散らす様になっていったという。
それは奥田瑛二や安藤和津だけではなく、他人や物にまで被害を及ぼす様になっていったというのだ。
・習い事の月謝の催促をされた時に、先生に札束を投げつける。
・電話の子機やテレビのリモコンの操作がうまくできない時、床にたたきつけて壊してしまったりなど。
そんなことが毎日の様に続き、奥田瑛二も安藤和津も限界を感じていた。
ある日、奥田瑛二が安藤和津にいったという。
『もう一緒には暮らせない。 お義母さんから離れよう。』
しかし、安藤和津は奥田瑛二の言葉に躊躇いを覚えたという。
母親の執拗な管理気質とヒステリックな性格に対して、実の親でありながら嫌悪感と憎悪を抱いていた。
しかし、そんな母親を一人残して、家族ごと出て行ったら寂しい思いをさせるという良心が、それを止めたようだった。
後に安藤和津は、実は自分自身が母親に強く依存していたのかも知れないと語っていたのだった。
おわりに
奥田瑛二が婿養子になった経緯と交えて、安藤和津が女性誌に告白した内容を紐解いてみた。
我々の日常、よく目にする生活の中にも、よくある話であるが、これは非常に過酷な問題でもある。
自分の親だから尚更、強く言えないからこそ、徐々に檻の様に溜まっていくストレス。
こういったことが爆発すると、家庭内での暴力や殺人などに発展していったりするのは、よく聞く話だ。
芸能人や家柄が良いから幸せで順風満帆に生きてきたかと言えば、そうではないということが、奥田瑛二と安藤和津の過去の話で垣間見れる。
筆者は結婚こそしていないが、身内に執拗に依存された過去があり、精神的に参ってしまった時期がある。
その時は心を鬼にして別れを選んで、現在は自由を手に入れた身分だ。
奥田瑛二と安藤和津は、母親を捨てる選択肢は結局、とらなかったようだが、どちらに選択しても良かったことなのだろうか。
誰にでも起きうる家庭内の問題だからこそ、奥が深く難しいと言える。