成宮寛貴の少年時代は非常に過酷であったことは知られている。
だからこそ、たった一人の肉親といってもいい弟を大事に面倒をみて、大学にまで進学させたのだろう。
涙無しには語れない成宮寛貴の弟を面倒見る暖かいエピソードに触れてみよう。
成宮寛貴と弟
成宮寛貴の子供の頃の環境は非常に貧しかった。
何故ならば母子家庭で育ち、母親は成宮寛貴と弟を育てながら、仕事をするという状態だったからだ。
しかし、身を粉にして子供の為に働きながら、育児をする母親の愛情を一身に受けた成宮寛貴だからこそ、自分の身を犠牲にして、弟に愛情を与え続けるという考え方が備わったのだろう。
成宮寛貴が14歳の頃に、そんな母親は病に倒れて、亡くなってしまう。
まだ幼い弟は母がいなくなったことをしり、泣きわめくだけだったそうだが、気丈に振る舞った兄の成宮寛貴は弟に向けていった。
「最後ぐらいは我慢しろ。お母さんが心配で休めないぞ。これからは2人で頑張ろう」
まだ子供である二人は、母親を亡くした後は祖母の家を頼ったわけだが、裕福ではなかった。
成宮寛貴は高校進学をせずに、働いて生活の維持をする選択をした。
学校も出ずに、16歳の少年がまとまった金を稼ぐ仕事は限られている。
引っ越し業などの肉体労働系の仕事に飛び込んでみるも、ご存知の通り、ああいった業界は仕事的にも精神的にも過酷そのもの。
お金の為だけでは到底、やってはいけない環境に潰されそうになった成宮寛貴は、魔がさしたのか家出をするという行為に出たそうだ。
成宮寛貴が家出をしてたどり着いた先が・・・
自暴自棄になり、自分の人生を呪っていたであろう16歳の成宮寛貴が行き着いたのが、新宿二丁目。
家出しても、死ぬことも出来ずに、どうあっても働かなければならない現状を前にして、飛び込んだのは夜の世界だった。
成宮寛貴は子供の頃から端正な顔立ちをしており、新宿二丁目で働き出した店で客がつくのは、むしろ当然の成り行きだったであろう。
そして、これが功を奏して、少年でありながら大きな収入を得ることに繋がったわけだ。
自分自身の欲望が先だって新宿二丁目にデビューし、ゲイやバイになったのではなく、あくまで生活を維持する為に出来ることがそれだったということだ。
店で働いて、多額の収入を祖母の家に持って帰り、家計を養う大黒柱となった成宮寛貴。
そして、弟の面倒として、毎日、学校へ弁当を持たせていくという母親代わりまでする様になっていた。
兄が父親代わりという言葉はよく聞くが、兄が母親代わりという言葉はあまり聞いたことが無いが、すごいことであると感じる。
成宮寛貴は弟を大学に入れる為に・・・
成宮寛貴が芸能界入りをした理由もまた、非常に切実な想いからだった。
中卒の自分が何が出来るのか。
僕は中学もほとんど行かないで卒業したので、学歴が世間に出るためにどれほど大事かというのを身にしみていた。
だからこそ、新宿二丁目だけにとどまらずに、芸能界入りをした。
それもこれも、残った愛する弟に、自分が味わった学歴が無い惨めな気分を味合わせない為に。
弟を大学に行かせるための、学費を稼ぐ為に働き、芸能界を視野に入れての行動に踏み出した。
成宮寛貴の弟は都立の高校へ進学した。
出身高校は明らかになってはいないが、後に進学する弟の大学を考えれば、かなりの偏差値がある高校であったと思われる。
成宮寛貴の気持ちを一心に受け取った弟もまた勉学に勤しんでいた為に、東京理科大学に合格し、その後は大学院にまで進んだという。
成宮寛貴は弟を学歴社会で立派に生きていけるように、親代わりとなって身を粉にして働いた。
また、弟は自慢の兄として慕い、芸能界でのし上がっていく成宮寛貴を心底、尊敬し頼れる兄として見ていた筈である。
こんな兄弟、今の日本にいるのか?と、言いたいほど美しすぎる。
成宮寛貴が弟の手紙で・・・
芸能人として一人前になり売れっ子になった成宮寛貴がテレビ出演した際に、弟から手紙をもらったという。
そこには弟が兄に感じていた感謝の言葉がつまった手紙であり、成宮寛貴は番組内で涙を流したのだ。
(手紙をみて)『これ、反則ですよ・・・』
『あいつのおかげで強くなれたと思う。 弟がいたからこそ。』
そう番組で語った成宮寛貴に対して、テレビ放送をみた視聴者やファンは絶賛の声を挙げたというのが、話題になっていた時があった。
おわりに
成宮寛貴の弟が現在、どんな職業に就いていて、名前は何というのかという情報はさすがに公にはなっていないし、特定もされていない。
が、どう考えても、一般社会人として、かなりの人物に育っていることには間違いない様に思える。
現在、成宮寛貴は疑惑の渦中にいるが、こんな立派な考え方を持っている男の中の男といってもいい人間が、世間や弟、また関係者の信用を失墜させる不祥事を働いていたということは、やはり何かの間違いなのではないか?と、思いたくなるが・・・。