芸能人のスキャンダルが一旦、報道されると、巷はこぞってそれを取り上げる。
それは時間が経つにつれて、スキャンダルを起こした芸能人の黒歴史として、人気があればあるほど永久に一般人たちの間で語られる。
現在ではWebメディアなども隆盛を極めている為に、一度、芸能人がスキャンダルを起こしたら、その黒歴史を取り消すことなどは絶対に出来ないと言ってもいい。
では、それが分かっていて、何故、芸能人たちはスキャンダルを起こして、自ら黒歴史を作り上げてしまうのだろうか?
そんな彼・彼女たちの過去を紐解くことで、その欲望の根本が何であったのか?が分かるのだ。
芸能人のスキャンダルと黒歴史
2020年11月現在はクリーンな芸人として大人気だったアンジャッシュ渡部が6月に起こしたスキャンダルによって自粛していたが、再度、取り上げられている。
典型的な芸人の女性関係の不祥事であり、渡部自身は佐々木希という美しい妻と子供がいる立場でもあった。
スキャンダルが発覚する以前から清廉潔白でありながら端正な顔立ちでもあった為に、そのイメージが手伝ってテレビ番組やCMなどで売れっ子であった。
だが、その裏の顔は女性たちを粗末にする様な肉体関係を半ば強要するような男であった。
欲望のカテゴリから見れば、彼は性欲が旺盛と見るのが普通である。
しかし、それだけではない・・・と、筆者は彼の黒歴史から察するに感じるのだ。
アンジャッシュ・渡部建のスキャンダルの動機というのは、単純に性的欲求からくるものであると言えば、簡単に片付いてしまう。
だが、佐々木希という美しい妻が家に帰れば、いつでも自分の相手をしてくれる状態である。
それに加えて家庭では非常に子煩悩ないいパパであった人物であったわけで、どうも黒歴史の中の彼の印象とは違う。
もはや多重人格者だったのでは?と、錯覚してしまうくらいでもあるのだ。
スキャンダルを起こす芸能人は抑圧されている
結論からいって、多重人格者などではなく芸能人という職業に就いている人間は、その都度、役を使い分けているのだ。
だからこそ芸能に携わる人間というのは、常人とは言えないのだ。
しかし、本当の自分というところに立ち返ると、演じている自分に対しては一抹の焦燥感や過度なストレスを抱くのだ。
他の芸能人のスキャンダルの中には、誰も見ていないところで自分の支えとなっているマネージャーに凄まじい暴行を加えたりするという事件もあったりするが、これも似たようなことである。
ストレスのはけ口が、異性との行為で満足するタイプもいれば、自分より弱者を肉体的・精神的に痛めつけることによって発散するタイプの違いでしかない。
つまりアンジャッシュ・渡部建が何故、円満な家庭や順調な仕事を失ってでも、スキャンダルに走ってしまった真の理由というのは、ここにあるのだ。
演じている自分は金も名誉も家庭も立場も全て手に入れたが、それと同時に失ったものがある。
それは自由に自分のやりたいことが出来るという『精神的余裕』と『精神的自由』である。
人間学的において『自由』というものは、非常に強い欲望の概念であるといっても差し支えない。
有名になり、仕事も順調そのものだからこそ、お金もバンバン入ってくる。
売れる前までは自分から積極的に異性を求めなければならなかったのに対して、今では向こうから『いらない』と言ったって付いてくる始末。
そうなれば、それまでは辛抱していた様々なやりたいことも、誰にもバレなければ相手に要求し行うことが出来るというわけだ。
成功するまでは何をどういっても、抑圧された状態が、自分自身がブレイクする為のフローに乗るまでは付きまとってくる。
しかし、その抑圧された様々な欲望はどこかで発散させなければ、精神が崩壊することが多いのだ。
芸能人によって、それがどうやって発散させているのか?によって、スキャンダルになるのか、単なる日常生活になるのかに違いが出てくるというわけだ。
この芸能人のスキャンダルは更なる黒歴史を作りこんだといえる
アンジャッシュ・渡部建の場合はそれは性欲に根差した一般の男女間が行う行為とは変わったものであった。
成人の映像作品によくある『女性を粗末に扱い男性の優越感をそそる』部類のものだ。
おそらく彼はそういった映像作品などに影響を受けていたとみて間違いがない。
欲望という広い定義の中に含まれているカテゴリを挙げるとするならば、以下のとおりである。
別の性的欲求を満たしたいが、妻には出来ない行為をしたい。
ならば、妻ではない別の女性とするしかないわけだが、そんな女性はいくらでもいる。
自分が粗末に扱っても文句を言わない女性がおり、それを受け入れてくれる複数の女性がいる。
これは性的欲求だけではなく、優越欲求も満たすことになり、加えて顕示欲求も同時に満たすことになるのだ。
しかし、両者合意の元であったとはいえ、アンジャッシュ・渡部建は世間的にクリーンなイメージがあり、妻と子供がいる売れっ子なのだ。
性欲や優越感・顕示欲などが満たされたあとは、違う欲望が発生する。
それは保持欲求ということである。
仕事を維持したい、妻と子供の信用を失いたくない。
しかし、自分の性欲や優越感を満たしてくれる他の女性も維持したいということだ。
粗末に扱われた女性たちに反旗を翻せない為にも、アンジャッシュ・渡部建は金を渡してしまってチャラという体裁をとっていたのだ。
しかし、女性というのは男性以上に欲望の質が違う。
男性というのは基本的には理性が強く、特に仕事などが絡むと自分の欲望などをコントロールしやすい生物。
だが、女性というのは理性よりも感情の方が強い生き物であり、感情が先立ってしまえば、それまでの約束事など知ったことではないくらいに暴走することがある。
母親になった女性が自分の子供の為に凄まじい強さを発揮するのは、感情的になりエネルギーを体内で作りやすいからなのだ。
つまりアンジャッシュ・渡部建のスキャンダルを例にとると、彼は女性という存在を舐めすぎていたのだ。
それに加えて自分自身の立場が盤石であるという驕りもあったから、自ら黒歴史を作ってしまったと言うことに他ならない。
芸能人のスキャンダルと黒歴史についてのまとめ
今回は現在、旬な芸能人であるアンジャッシュ・渡部建のスキャンダルを例にとって解説してみたが、お判りいただけただろう。
自分自身の価値観によって最優先である欲望というものは、それまでの地位や名誉などを傷つけるかも知れない行為を平然と行えるくらいに強力なパワーを発揮する。
しかしそれだけではなく芸能人という常人とは違う属性の者は、常に演じ続けなければならないということが多い。
その結果、本当の自分を出せないという抑圧されたものを常に強いられなければ成功などは出来ないのだ。
結果的にその対価に得ている経済的な成功や社会的な立場を得た時にこそ、自分の様々な自我欲を満たしてくれる人間が集まってくるという皮肉な展開が起こるのだ。
だが、自分の立場を守り、幸せに生きていきたいのならば『やろうと思えば出来るけど、やらない』という自分を律する強い心掛けが必要なのだ。
芸能人・・・芸人はとにかくスキャンダルを売りにして、黒歴史も逆に笑いにしていかないとならない、と、いう昭和からの暗黙の了解みたいなものがあるようだ。
しかし、その周りにいる人間が不幸になるということも重々、考えられる。
アンジャッシュ・渡部建などでいえば、これから生きていく子供は何かの拍子で永久的に『おまえのオヤジは昔・・・』と、いう黒歴史を誰かから聞かされることになるのは明白だ。
つまり芸能人という影響力が非常に高い者たちのスキャンダルというのは、法律に触れることでなくても黒歴史となり、自分だけではなく家族なども、永遠にネガティブなことを言われ続けるということなのだ。
そういった後ろ指をさして誹謗中傷をしている一般人などもまた別の欲望に支配されているだけなのだが・・・。