西山美香という人物がいる。

 

2003年5月22日の早朝に発生した湖東記念病院人工呼吸器事件で有罪になった元看護助手の名前である。

 

兄への劣等感を幼少より抱えており、知的障害という生まれながらの病を抱えていたという。

 

一時は服役して受刑者という立場に身を落として、出所後は自らの無実を訴える為に再審を開始している彼女は一体、何故、冤罪の被害者になってしまったのか?

 

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西山美香の冤罪とは?

ここで西山美香さんが殺人罪として受刑者となった流れを軽く紐解いてみる。

 

2003年5月22日の午前4時30分頃、湖東記念病院にて入院していた当時72歳の男性が心肺停止状態になっているが発見された。

 

発見したのは看護師と助手を務めていた西山美香さん。

 

72歳の患者は人工呼吸器なしでは生きていけない重い病を患っていた。

 

懸命の救命活動もむなしく患者の命は潰え、病院側はこれを事故として発表した。

 

しかし、この事件の捜査を担当した滋賀県愛知川署は、不審な点があると感じ捜査を続行。

 

一年の捜査期間の後に、発見者である西山美香さんを人工呼吸器をとめた犯人として逮捕、起訴した。

 

それにより、西山美香さんは裁判で12年の刑が言い渡されて、受刑者となってしまったのだった。

 

西山美香さんは犯行を自白したという。

 

ところがこの冤罪事件にはある種の裏があったというのが、現在、明らかになっている。

 

西山美香さんは兄への強い劣等感から・・・

2017年8月、長い服役生活を終えて、西山美香さんは出所。

 

それから程なく裁判のやり直しを求める活動を展開する。

 

その中で何故、やってもいない罪を自白という形で警察に話してしまったのかという告白をしている。


西山美香さんは幼少の頃から軽度の知的障害があり、兄二人といつも比べられて育てられたという。

 

兄二人は非常に学力が要求される難関とされる大学に合格し、無事に卒業できるほどの秀才だった。

 

その為、劣等感に苛まれながら生きていたようで、それは社会人になり看護助手の仕事についてからも変わらなかったようだ。

 

問題の事件が発生し、山本誠警察官が西山美香さんの取り調べを担当し、優しく接したことで、元々、男性経験がなかった西山さんはたちまち好意をもってしまった。

 

上記の動画でも分かる様に西山さんは担当警察官に誘導されて、やってもないありもしない犯行の誘導尋問にひっかかってしまったということであった。

 

その結果、自白調書は創作されて、これが冤罪事件を作り上げる大きな証拠となってしまったのだった。

 

西山美香の知的障害とはどの程度のものだったのか?

この冤罪事件が表立ってから、ネット上ではこんな書き込みが見える。

 

『軽度知的障碍者でも、看護助手になれるってことですか?』

 

人の命を預かる責任ある職業に、普通よりも劣っている知能の人間にやらせるのはリスクがあるという考える人間も多数いる。

 

ところが知的障害者が看護助手などのハードな職業に就いている事例は多く、この障害者の特徴として挙げられているのは、普通の人間よりも雇用する側は使いやすいということである。

 

使いやすいというと語弊があるかも知れないが、詳しく述べさせてもらうと以下の様なものだ。

 

・知性の低さから、待遇に不満を感じ辛い。

・余計なことを考えることがないために、真面目に業務に取り組む傾向がある。

・褒められて伸びる性格の為に、健常者と比べて疑心暗鬼に陥って、仕事に対して集中力を欠くことが少ない。

 

等が挙げられ、実は軽度知的障害者というのは、コミュニケーション能力が低く、普通の人々からは敬遠されがちだが仕事上ではよく働くことで知られている。

 

特に看護の現場はハードで並大抵の精神力では続かない為に、健常者にはおよそ耐えられないことも難なくやってのけてしまうのだ。

 

個人的に言えば知的障害者というのも、誰かが勝手につけたものであって、実は不平不満も言わずにどんな仕事でも真面目にこなすという意味では特殊な才能であると感じている。

 

なので知的障害者という言葉自体に、実は違和感を持っているのが個人的見解だ。

 

だが、人間関係がうまくいかない、誰でも簡単に出来ることが出来ないという点があるために、呼び方そのものを変えるのは難しいことである。

 

西山美香さんの知的障害の度合いというのは、後に手記や関係者の告白によってどの程度のものだったのかは明らかにされている。

 

同僚たちの証言によると業務上、不注意と不器用さがあり、理解力が乏しいが為に雑務がこなせないところがあったという。

 

西山さんが看護助手であった時の上司は、指導などは素直に聞くが改善が見られずに、患者に対する気遣いも足りないと称していた。

 

こうしたことを西山さんは時にはイジメられているという様に思うこともあった。

 

何にせよ仕事上ではなかなか厳しい状態であったのは、間違いないようである。

 

おわりに

西山美香さんの特集が、あるテレビ番組で放送されるのを切欠に、冤罪事件やその被害者となり無実を訴える為に活動している経緯について簡単にまとめてみた。

 

知的障害を抱えていながらも、必死に社会人として頑張ってきた幼気な西山さんを見舞った突然の不幸。

 

自白してしまった理由というのは、兄へのコンプレックスが少なからずあったという事実。

 

そして警察お得意の誘導尋問がものの見事にうまくいったというケース。

 

単純にやっていないものをやったという理不尽さには断固として戦う必要が誰にでもある。

 

それが例え流されて自白してしまったことであったにせよ。

 

おかしいことにはおかしいと勇気をもって戦い続けている西山美香さんには心からエールを贈りたいものだ。

 

知的障害を抱えているからといって、冤罪の被害者になっていいことなどはないからだ。

 

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